この映画、すげえ。何がすげえって…舞台はひたすらバス。そこに乗り込む人、降りて行く人、すれ違う人…そこから見えてくる“様々な人間の様々な人生”が描かれているんだがそれがまた上手い。時にはガッツリと、時には一言の噂話で語られる人生達。密室劇でありながらロードムービー、それがこの「有りがたうさん」だ!

昭和十一年製作・全編オールロケ!
しょ、昭和十一年って全然想像がつかないが…とにかく凄い昔だ。1936年製作だから今から70年ぐらい前か。デジタルな今と違って撮影に物凄い苦労が伴ったはずの時代に全編オールロケはとんでもない大冒険な企画だったはず。なのに押し通した清水宏監督の熱意に有りがたう。